薬を無くすことのできる薬剤師が増えてくれることを願う。薬剤師 宮本知明さんの輝く先輩インタビュー

『資格VOICE』は、「本当に役立つ資格を選ぼう」を合言葉に、さまざまな資格の先輩にインタビューを行っています。今回は、ホリスティック薬剤師として活動されている宮本知明さんへのインタビューをご紹介します。

宮本知明さんの経歴紹介

神奈川県生まれ、栃木県育ち。国際医療福祉大学薬学部へ進学(6年制)。卒業後、1年の国家試験浪人を経て薬剤師となる。都内の総合病院で非常勤薬剤師として勤務し、内服・外用・注射調剤業務、医薬品在庫管理業務に従事。医師からの処方箋内の多種多剤併用(ポリファーマシー)、一般の方の医薬品乱用、薬に対する認識の間違いに気づき、一般の方への医療と薬の考え方を伝える必要性を感る。薬を減らすこと、薬以外にも治療する方法があること伝えることで、生活に縛りのない自分の人生を歩んでくれる人たちを増やしたいと思い、2016年11月に臨床を離れる。現在は、教育機関に所属しながら、現代の西洋医学にとらわれず、個人のあらゆる面から不調の原因となってることを見つけ出し、代替療法・栄養療法・心理療法を用いた提案を行う「ホリスティックヘルス」の大切さを伝えている。病院への受診の必要性を相談できる第二診察者、家庭の健康相談をできる身近な薬剤師として、カウンセリング、ワークショップ、講演、執筆活動を行っている。

保有資格

  • 薬剤師
  • JAAM認定抗加齢医学指導士
  • PPCA認定マインドフルネスカウンセラー
  • GAJ認定ジェモセラピスト(植物療法士)

Webメディア

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宮本知明さんの輝く先輩インタビュー

――その資格を取ったきっかけはなんですか?

幼少期のころから医療の世界には、怖くてなりたくない業種1位でした。そんな、私が薬剤師を知ったのは、母からです。あの当時は、本当に母が薬剤師なのか疑問でしたが、今同じ立ち位置に立つと「薬が治すことを信じてる薬剤師」でした。家には、一般家庭よりも薬が多種多様にありましたし、母が薬で対処してくれることも多かったです。

そんな私が薬剤師になる分岐点になったのは、高校生の時に夢と希望を失い「バーンアウト」してしまったことです。その時に、大学進学をやめて、専門学校の面白そうな分野を見つけで勉強から離れたいと両親には内緒で本気で思っていました。しかし、頭の中では「親が安心するなら」という理由の方が勝り、自分よりも親の意見を優先して薬学部に進学しました。

後付けっぽくなりますが、あの頃はちょうど「ヒトゲノム」が世界各国の協力で解析が終わった時期で、生命の神秘さを感じたり、医療・薬学へ応用される「個別化医療」の未来に少なからず興味もありました。

――その資格を取るうえで大変だったことはなんですか?

医療系は、皆さん同じだと思いますが、やはり朝から晩までみっちり授業がありましたし、試験も多かったです。留年する方も毎年数名はいましたので、勉強しないと進級は危うくなりますから、勉強ばかりの生活であんまり遊んだ記憶がありません。田舎にある大学でもありましたので、遊ぶ場所といえば皆同じ場所になることが多くて、そんなに大学生活をエンジョイするような感じではありませんでした。

6年制になったことで、病院・薬局実習に行ける5年生の進学時に、2日間かけて国家試験の少し易しめの試験や実技試験もあって、そこがある意味、薬剤師になれるかどうかの最初の試練みたいになってました。その後は、5年生になって研究室と計半年間の病院・薬局実習の毎日を過ごし、6年生では卒論発表用のデータをまとめながら、国家試験予備校の先生による国家試験対策授業を受けてました。

私は数点足りなくて現役合格はできませんでしたが、2回目の受験で薬剤師になる事が出来ました。

――その資格を取って良かったですか?その理由はなぜですか?

薬剤師になるまでに学んだことというのが、科学的なことを幅広く学べる学問であったため、他の医療従事者との話が噛み合いやすいことを感じてます。話の内容をストレートに伝えあえることって結構大切で、本質の部分をお互いにやり取りできるので、今となっては勉強してよかったと思いました。

また、医師は自分の専門の診療科に特化してしまいますが、薬剤師はすべての診療科の薬を扱う関係上、体のこと、病気のことも幅広く知っているので、自分だけでなく周りに方に対しても日常生活で活かしやすいです。

そのおかげで、私自身もこうして東洋医学・アーユルヴェーダ・代替療法・栄養療法・抗加齢医学・進化医学・心理療法など薬学だけの領域以外にも基礎がすでに出来上がっているのでハードル低い状態で、理解もスムーズになっていきます。

――最後に、これからこの資格を取ろうか悩んでいる人にメッセージをお願いします。

人生100年時代と言われるようになり、益々健康であること、予防医学を意識する方が増えていきます。そうなったときに、薬剤師であっても薬を処方箋どおりに、安心して飲んでいただくだけでは意味がありません。薬剤師を目指すのであれば、「この患者さんには本当に薬が必要なのだろうか?」「他に問題になっていることや解決方法があるのではないか?」と医師の診察とは別で疑う目線を持っていてほしいです。

また、薬剤師だからこそ「薬は病気を治すことはない」と強く言えます。薬は患者さんの日常を「マイナスからゼロに」は出来ても、「マイナスをプラスに戻す」ことは出来ません。薬とともに生きていくことが、本当に患者さんにとって一番いい方法なのか一緒に考えられる人になってほしいです。例え、医師の処方箋の指示であっても、薬のプロとして譲れないところや他の代替案を提示し、1種類でも薬が減らせること、薬を無くすことのできる薬剤師が増えてくれることを願っております。みる

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